うどんより蕎麦派【岡山】
「うどんより蕎麦派なんて人、いるんですかね」
会社の後輩が発した何気ない一言である。
その時は深く考えず、私は蕎麦派であることを伝えたが、後輩がうどん好きなのが分かるエピソードがある。
2020年12月、年末年始の長期休みを使って西日本を訪れた。
有明から船で徳島へ行き、徳島からは普通列車で徳島〜高松〜広島〜岩国、そこから東へ戻って岡山〜名古屋〜東京と、かなりの長旅をしていた。
岡山を訪れた頃には体力も限界であり、食欲も減退していた。そのせいで、岡山名物の店を探すこともせず、駅構内の立ち食い蕎麦屋に寄ることになってしまったのである。
蕎麦屋では、何も考えず、かけそばか月見そばを頼んだと思う。
そして、出された蕎麦を見て、驚いた。関西風のうどんの汁に、蕎麦の麺が入っていたのである。岡山は関西ではないから、油断していた。
食べてみると、美味しくないわけではない。ただ、出汁の効いた関西風の汁が蕎麦の風味を消してしまい、絶妙にマッチしない。
以前、関西風のうどんは、関東のそれとは比べ物にならないほど美味しいと書いた。しかし、蕎麦は完全に逆だ。関東の真っ黒い汁の勝ちである。
そして思い返してみると、うどん派と言っていた会社の後輩は、関西人だ。
せっかく関東にいるのだから、立ち食い蕎麦屋でも立派な蕎麦屋でも、沢山の関東の蕎麦に触れてもらいたいと思う。
蕎麦の写真がなかったので、夜の岡山駅の写真。
〜この日のルート〜
岡山駅に宿泊し、午前中はJR山陽本線で倉敷へ。昼には岡山駅に戻り、改札内で立ち食い蕎麦を食べる。その後はJR山陽本線、神戸線、京都線、琵琶湖線、そして東海道線を乗り継ぎ、名古屋駅へ向かった。青春18きっぷ利用。